ご家族の方へ
犬や猫も歯周病になります。
みなさんは、毎日きちんと歯磨きをしていますか?
ほとんどの人が毎日歯磨きをしているであろう現代の日本において、
約7割(60歳代は約9割)の人が歯周病に罹患していると言われています。
そんな中、毎日歯磨きをしている子がまだまだ少ない日本の犬猫界では、3歳以上の成犬のうち、80%以上が歯周病というのが現状です。
近年、動物病院では歯周病に罹患して苦しむわんちゃん、ねこちゃんの来院数が増えてきています。
わんちゃんやねこちゃんが歯周病になると、まずは歯垢がたまってお口がくさくなったり、歯ぐきから出血したりします。
それでも放っておくと、歯が抜ける、膿がたまって顔が腫れる、鼻水やくしゃみがよく出るなどの症状がみられるほか、歯が痛くてご飯が食べられなくなることもあります。
鼻まで炎症が起きてくしゃみをする犬
右頬に膿が溜まって腫れてしまっている犬
歯周病の菌が体中に回って心臓病や腎臓病のリスクが上がり、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。
fimA TESTは、わんちゃんやねこちゃんの歯周ポケットを小さなブラシでこするだけの簡単な検査です。
臼歯(奥の方にある大きめの歯)の歯周ポケットをブラシでこすって歯垢を取れば、乾燥させてチャック付きビニール袋に入れるだけ!
予防には、毎日の歯磨きと、定期的なメンテナンス(スケーリングやfimA TESTなど)が大事です。
ただ、毎日歯磨きをしていても、どうしても取り切れない歯石は日々溜まっていきます。
年一回の健康診断で獣医師に歯の様子を確認してもらい、必要であれば数年ごとのスケーリングも検討してください。麻酔のリスクと歯周病のリスク、どちらを優先すべきか、飼い主様と先生でよく話し合って決めることが重要です。
一度fimA TESTをして、歯周病リスクを確認してから、スケーリングなどの間隔を決めていければよいのではないでしょうか。
Porphyromonas gulaeは犬や猫の歯周病の主な原因菌のひとつと言われている細菌です。
犬や猫の歯周病の発症や悪化に関与しているほか、犬を飼育するご家族の方への感染も確認されていて、近年様々な研究がされています。
菌の表面に持っている線毛という部分の遺伝子のタイプによって、悪性度に違いがあり、感染しているタイプによって将来どのくらい歯が残るかに違いが出てくるという研究結果もあります。
fimA TESTをして陽性であれば、お薬で治療を行います。
その後の、ハミガキやスケーリング間隔の指標にすることで、歯の健康を維持できます。
◎犬用歯ブラシ
最初から磨こうとせず、歯ブラシに慣れるところから始めてみましょう。
◎デンタルシート
歯磨きが難しいなと思う飼い主様には、はじめやすいデンタルシートがおすすめです。
力の入れ具合がよくわかり、犬は比較的嫌がりません。
◎ミトン型歯ブラシ
歯磨きが難しいなと思う飼い主様には、扱いが簡単なミトン型がおすすめです。
力の入れ具合がよくわかり、犬は比較的嫌がりません。