fimA TESTについて
歯周病原因菌
歯周病の起因菌はいくつもありますが,人では特にポルフィロモナス ジンジバリスが問題になっています.
犬や猫では,共通のDNA型を持ったポルフィロモナス グラエ(P.gulae菌)が問題となります.
P.gulae菌
最近,検査の精度が上がり,ごく微量のP. gulae 菌でも検出できるようになりました.
ある調査研究では P. gulae菌は犬と一緒に生活している家族の16%からも検出されることが報告されています.
Yamasaki Y, Nomura R, Nakano K, et al. Distribution of periodontopathic bacterial species in dogs and their owners. Arch Oral Biol. 57: 1183-1188, 2012.
遺伝子検査
P. gulae菌の線毛遺伝子であるFimAに着目し,その遺伝子タイプの遺伝子検査ができるようになりました.DNA解析によりA、B、Cの3つのタイプに分類され,Cタイプが最も病原性が強いものであることが判明しています.
悪性度検査
歯周病を予防するためには,P. gulae菌に血液というエサを与えず,酸素のない住み家を与えないようにしなければなりません.
まずは,P. gulae菌の有無を知るために歯周病原性細菌の悪性度検査を受ける必要があります.
最も悪いC型
P. gulae菌の線毛遺伝子型は,A ,B, Cの3つあり,Cタイプの悪性度が高く注意が必要です.
fimAテストは,この遺伝子型を調べるため歯周病のリスク判定が可能になります.また,頻繁な歯周病ケアを行うためのエビデンスが得られます.
全身疾患との関係
既に,P. gulae菌は心臓の僧帽弁閉鎖不全症の進行にも関与していることが示されていますが,その他の全身疾患についても研究が進められています.その存在が判れば,積極的な除菌と万全を期した麻酔下での歯石除去術,ご家庭でのお手入れと定期検診が必要不可欠です.