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アレルゲンを調べる検査

​アレルギーの原因となる物質(感作しているアレルゲン)を調べる検査は大きく分けて2つあります

1.皮内テスト

少量のアレルゲンを皮内に注射し,皮膚の反応をから診断する検査です.動物が投与された物質に対してアレルギーを持っている場合,皮膚に赤い紅斑が現れます.感度に優れていますが,多数の抗原液を用意した上で局所を剃毛し,多くは麻酔下で行う必要があります.また,ステロイド剤や免疫抑制剤,抗ヒスタミン剤などの投与中は実施できないので休薬期間が必要です.

2.血液検査

少量の血液を採取し,分離した血清中のアレルゲン特異的IgEの量を測定します.抗原液を用意する必要がありません.皮内テストのように休薬期間を必要とせず,動物に負担をかけません.

SPOT TESTは一度の検査で92種類のアレルゲンを同時に検査することができます.

IgEの量とアレルギー症状の関係について

SPOT TESTはアレルゲンに対して特異的に作られたIgEの個体ごとの絶対量(単位:ARU)を検査します.健康な犬でもIgEは作られていますので,アレルギー症状を呈する動物と無症状の動物を比較した場合,検出されたIgE陽性の数が多いからといって,必ずしも症状が強く現れるとは限りません.

それでは“検査の目的は?”ということになりますが,「検査時点において,その動物の体がどのようなものを異物と認識してIgEを産生しているかを検出し,その結果に基づいて対処すること」を目的としています. 

アレルギーの発症にはIgEの他にも皮膚バリアの問題や環境因子なども関係していて,何が引き金となっているかなど未だその正確なメカニズムは解明されていません.臨床的な判断を十分に加味して対処していくことが大切です.

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